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TGF-β LAP断片抗体並びに同抗体ELISAを用いた組織線維新生の検出技術

 

 

強力な線維産生誘導因子であるTGF-βは、プロペプチドlatency associated protein(LAP)と活性型TGF-βが疎水結合により会合した潜在型複合体として産生されるため、標的細胞上のTGF-β受容体に結合し生理活性を発揮するには、複合体中から活性型TGF-βが放出されること(TGF-β活性化反応)が必須である。我々は、血漿カリクレインがLAPのR58-L59 間を切断することでTGF-β活性化を引き起こし、肝線維症を促すことを明らかにし、切断面を認識する二種の特異抗体(N末側断片R58 LAP断片を認識するR58抗体、およびC末側断片であるL59 LAP断片を認識する L59抗体)を作製した。細胞外基質タンパク質である潜在型TGF-β結合タンパク質にS-S結合して組織・細胞表面上に残るR58 LAP断片はR58抗体を用いた免疫染色法により、血中に放出されるL59 LAP断片はL59抗体を用いたELISAにより検出する技術を確立し、血漿カリクレイン依存TGF-β活性化反応と続いておこる線維新生(fibrogenesis)の予測できるバイオマーカーとして展開している。

右図:PLKによるTGF-β活性化反応の副生成物として生じる2つのLAP断片(R58 LAP断片あるいはL59 LAP断片)は、R58抗体を用いた免疫染色法、あるいはL59抗体を用いたELISA法により検出でき、肝線維症のバイオマーカーとなりうる可能性がある。

参考文献

  1. LAP degradation product reflects plasma kallikrein-dependent TGF-β activation in patients with hepatic fibrosis, Hara M., Kirita A., Kondo W. et al. Springerplus. May 1; 3: 221. PMID: 24877031 (2014)

関連研究室

CLSTは、2018年4月1日からの理化学研究所第4期中期計画により、3つのセンターに改組されました。